OUR SERVICE
事業内容
CORPORATION企業向け
個人の内面を見つめることで、
組織全体の変容を促す。
そのキーワードは
「文化(Culture)」
個人の変容、チームの変容、組織の変容。これらの変容とは、それぞれの単位での「文化」を変化させていくことです。自分、チーム、組織、それぞれの文化を知り、それが今の環境で効果的に機能しているのかを観て、必要に応じて変化させていく。シックスエイトは、そのご支援を行っています。
個人であれば、マネジメントなど、現在の役割でのパフォーマンス向上やキャリア開発のために。組織であれば、多様性の増加や変化スピードの加速に対応していける組織体質づくりのために、最短かつ最適の道筋をご一緒に探索します。
「何から始めるか」を描く
組織開発
コンサルティング
働き方の変容や多様性に応じる、全てを包括する「インクルーシブな組織づくり」、事業の変化に応じたマネジメントスタイルの変容やメンバーの自律性向上など、組織が抱える課題の多くは、個人の能力開発ではなく、組織文化の変容が鍵となっています。
組織のメンバーひとり一人が、適切な行動を取るために必要となる条件をそろえ、舞台となる環境をいかに創出するか(Creating condition)。そのための効果的なロードマップづくりをお手伝いします。
シックスエイトの
組織開発コンサルティングの特徴
シックスエイトの組織開発コンサルティングは「どこに働きかけるのか」を重視します。
そしてそれを知るために「いま現在何が起きているのか?」ということを、各種の調査分析やインタビューなどを通じて把握し、分析します。
構造(Structure)とやりとり(Dynamics)を捉え
文化(Culture)の変化を促す
Agile(敏捷さ)をもって変化に対応する
人や組織を「変える」のではなく、人や組織が
「変わるような環境を創る」~Creating Condition
もっとも効果的なポイントに最小限のハンマーを打ち下ろす
多くの企業組織が、トップダウンでの急激な制度やしくみの変更を行い、それに組織メンバーががんばってついていく状態のことを「組織開発」と呼ぶこともあるようです。しかし、変化は、その波が急であればあるほど、揺り戻しの力、専門的には「引き潮」と呼ばれる(元の状態に戻ろうとする力)もまた強くなります。
シックスエイトの組織開発は、その急激さと遅さの間をとり「適切な最速」のもとに、余計なことをせず、もっとも効果的なポイントに最小限のハンマーを打ち下ろす、その点にこだわりをもって提供しています。
「組織開発」という言葉は、2010年代から急に人気が出て、所々で聞こえる言葉となりました。しかし、その意味やアプローチに関しては、実践家個々人の能力に頼った「個人技」の色が濃く生じています。
シックスエイトのコンサルティングにも、「個人技」の色は濃く流れてはいますが、背景には多くの実践家が活用してきたTransactional Analysisや、プロジェクトマネジメントの一般的な理論が活用されており、理解されています。
シックスエイトの
コンサルティング
コンサルティングプロセス
シックスエイトのコンサルティングは、主に5つの要素から成っています。各クライアント組織の状態に応じて、以下の基本の要素に強弱をつけながらコンサルティングプロセスを進めます。
組織に存在している
事実を収集する
既存のデータ、調査の結果や組織メンバーのインタビューなどから、組織の内部・外部環境で起こっている事実の情報を収集します。
- ・組織が現在どのようになっているか?
- ・人々は何を考えて、物事をどう捉えているのか?
など情報を十分に収集します。
なにが起こっているのか、
何が重要なのかを見極める
Transactional Analysis(TA)のフレームワークを使用して、組織の内外で起こっている複雑な状態を簡易化して整理整頓します。
このプロセスに、インタビューをした人たちや変化を推進していきたい現場の組織メンバーに入ってもらうこともあります。
どのような方向に
変化していきたいのかを
決める
組織内で起こっていることを踏まえ、
- ・どのような変化を求めて
- ・どのポイントに働きかけをするのか
を決めていきます。
最小の力で最大の効果をもたらす「レバレッジポイント(≒働きかけのツボ)」を探していきます。
どのポイントに、
いつ、どのような働きかけを
するのかを決める
「レバレッジポイント」に対して、必要な働きかけをデザインします。
組織の制度や構造の追加や変更、または、人々のやりとりに対する変化を求めて、
- ・ワークショップやコーチング
- ・カウンセリング、プロジェクトの立ち上げ
- ・大規模な対話の場
などを必要に応じてデザインしていきます。
モニタリング
デザインした施策を実施していきます。
数ヶ月かかる施策の場合には、その実施期間中に、組織や働きかけ対象層の実体を調査などで把握し、変化に応じて施策のゴールや内容を見直しながら、実施を継続していきます。
上記のうち、最も重視しているのは「見立て」のプロセスです。
このプロセスは多くの場合、コンサルティングを「する側」が「される側」に「分析結果」を提供する形をとります。
しかし、シックスエイトの場合には、このプロセスをクライアントと「ともに見立てをする」という共創的(Co-Creative)なアプローチで実施します。
その事で精度の高い見立てとクライアント組織が、近い将来に組織開発を自律的に考えて実行していける基盤づくりの支援を行います。
参考事例
メーカーにおけるダイバーシティ&
インクルージョン方針策定と施策推進
内資の中堅メーカーで、これからダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下DE&I)の推進を行っていく段階の企業様に、方針設定とロードマップ策定支援を行いました。
当該企業様では、女性活躍推進や障害者雇用に関する基本的な制度整備は行ってきているものの、DE&Iという形をとっての方針を示しての企業活動は行っていませんでした。
コンサルティングのスタートとして、まずは、知識の拡充による土台作りを行いました。人事を中心とした推進事務局のみなさまと、DE&Iに関する様々な切り口やフレームワーク、考え方などの勉強会をワークショップ形式で行いました。
その上で、管理職やメンバー層のさまざまな属性の方々数十人ほどにインタビューを行い、その分析結果をもとに、さらに議論を重ねました。
インタビューからは、DE&Iに対する認識が「女性活躍推進」という一部に限定されていること、そして、女性活躍推進に対してはどの属性・階層からも反発が大きいことが明確になりました。
これは、Transactional Analysis(TA)では、Transgenerational Misogyny(世代継承された女嫌いの認識)と呼ばれている現象が起きていると解釈されます。TAでは、私たちのジェンダー認識(社会的性別役割認識)は、個人特有のものではなく、世代を超えて私たちの無意識に引き継がれていると考えます。例えば前述した、Transgenerational Misogynyは、儒教をベースにした「男尊女卑」「女嫌い」の認識であり、日本での儒教の導入以降1,000年以上引き継がれてきた認識です。これに変化を持たせていくには、長い時間と根気強い取り組みが必要になります。
この「女性活躍推進アレルギー」の現象に加えて、組織課題として、部門間の壁が厚く孤立化が進んでおり、管理職層が激務により疲弊していることが明らかになりました。
女性管理職が増えない理由は、女性自身にあるというより、管理職の働き方そのものが、子育てなどライフイベントを経験している社員には無理な負荷であるため、と考えられます。このように、TAでは、女性管理職増加、といったときに女性管理職やその候補だけを観るのではなく、組織の他の要素(システム)からの影響も加味します。
これらDE&I推進や組織における課題を盛り込み、役員向けにもDE&Iに関するワークショップ行い、自社の特性や外部・内部環境を踏まえた上でのDE&Iの方針を策定しました。
結果、単なる女性活躍推進ではなく、多様な属性・能力の管理職層としていくこと、及び採用形態が新卒採用中心の社風だったためその点の多様化を推進すること、加えて、働き方の多様性を推進する、この3つの柱となる方針を策定し、中期経営計画に盛り込み発表しました。
この方針は、上述したTransgenerational Misogynyの現象を踏まえ、「女性活躍推進」を前面に出すのではなく、管理職の多様性を増やす、というメッセージにした上で、その多様性の一つとして、採用形態や年齢などの項目と並列にして、さりげなく「女性」という項目もいれる形にしました。
発表された方針に対する意見収集で行ったアンケートによると、「女性社員としていつも注目されてとても嫌な思いをしていたところだったので、違う切り口が出てきて納得感が少しでてきた」「意思決定をする管理職がいろんな人たちになっていくのは重要だと思う」など、社員の肯定的な見解が多く観られました。
現在は、初年度施策として、全社員に向けたDE&Iのワークショップ実施を行い、DE&I理解力の底上げを行うと共に、この3つの柱のうち、働き方と管理職の多様化に重点を置き施策を実施しています。具体的には、管理職の中途採用推進や、1️管理職あたり平均12人にもなっていた管理対象人数(マネジメントスパン)の見直しなど、管理職の多様性向上と管理職の働き方多様化を推進するための土台作りを行っているところです。
具体的な働きかけを行う
プロジェクト/ラーニング&ファシリテーション
コンサルティングプロセスを経てロードマップが創出されると、それに沿って、新しいものの見方やフレームワークを組織メンバーに提供していきます。
その際の働きかけには、ラボラトリー方式の体験学習、プロジェクトマネジメント、ファシリテーションなどの技法を必要に応じて活用します。そして、より自然に、かつ当事者の納得の上で、組織メンバーの「ものの見方」や「行動」の変容を支援します。
多くの企業研修では、学校教育のような情報提供中心の構成で、参加者が頭でわかった「つもり」になってしまう働きかけを行っています。研修の目的が職場における行動を変えてもらうことであることを踏まえるとこの方法はむしろ逆効果です。「理解している」ことと「実践できる」ことは大きく異なるのですが、お勉強スタイルの研修は、「理解して満足した」状態を誘ってしまいます。そして、すでに「知っている」ことは次に出会ったときに「またか」と聞き流すのが人の常であり、行動変容にたどり着かないものです。
このような非効果的な結果にならないよう、シックスエイトでは、体験・体感・対話を通じて、「実践できる」ことを目指したデザインの働きかけを行います。
プロジェクトファシリテーション:Project Based Learningの活用
そのひとつがプロジェクトの立ち上げ~運営~終結の一連の流れを参加者に体験してもらい、そのプロセスからの学びを得て頂く方法です。プロジェクトマネジメントには、課題解決だけではなく、課題設定や計画立案、関係者の巻き込みやふり返りを通じた学習など、リーダーとして必要なスキルが詰まっています。プロジェクトファシリテーションを用いるのは、実践を通じて上記のようなスキルを身につけることが目的です。
プロジェクトの進め方としては、まずプロジェクトで扱う領域として、働き方改革や業務改善、ダイバーシティ&インクルージョンなど、組織課題を1つ選びます。
その上で、設定された組織課題について、参加者が行いたいことを自分たちで決めてチームを形成します。そして、形成したチームごとにプロジェクト目標を決め、やるべきことを整理し、進捗を管理しながら目標達成に向けて活動を行います。例えば働き方改革領域のプロジェクトならば、「リモートワーク推進」「残業削減」「就業意識改革」などの小テーマがチームごとに設定されます。
プロジェクト運営のプロセスにおいては、適切な目標設定や計画立案、関係者の巻き込みや交渉、進捗の維持、チーム内のコンフリクト解消など、様々なスキルの駆使が必要になります。
シックスエイトはプロジェクト運営の黒子役として、課題設定・チーム形成のファシリテーション、プロジェクトマネジメントスキルの紹介を行います。その後は促進役として、チームが大きな困難に陥らないよう見守りながら、折々のふり返り支援により個人とチームの成長をサポートします。
プロジェクト期間は数ヶ月~1年程度にわたり、その間の環境変化などに応じて、Agile Project Managementの手法を活用しながら、プロジェクト目標達成とメンバーの成長双方をサポートしていきます。
プロジェクト
ファシリテーションの事例
IT系企業における「次世代女性リーダー育成」を目的としたプロジェクト
【課題】
この企業様では、女性管理職増加が課題となっており、一方で管理職に見合った実力を持った女性社員の育成が間に合っていないという状況がありました。加えて、急遽昇格させた女性管理職のマネジメント・リーダーシップスキルが足りないというクレームが一般社員や部長層から起きていました。
既任の女性管理職に対しては、1on1コミュニケーションを用いて個別の底上げを図りましたが、管理職候補となる女性の育成について、「昇格後のヘリコプター的垂直立ち上がり」ができる状態を目指し、プロジェクト型の施策を運用することとなりました。
【構成】
実施期間は、フェーズ1の2ヶ月間、フェーズ2の9ヶ月間に分かれました。
フェーズ1では、より広い対象者を募り、実践型課題解決ワークショップを全4日間のコースで提供し、課題解決の基礎を学んでいただきました。その上で、より昇格を期待されているグレードの方を対象に、フェーズ2を実施しました。
フェーズ2 は、約6ヶ月間のプロジェクト運営を通じた学びを提供しました。テーマは、「自社におけるダイバーシティ&インクルージョンを推進するには」です。
全員が集合するワークショップは、最初の課題・チーム形成のための2日間、及びクロージングの1日間を起点に、毎月1回の半日ほどの全体ふり返り+プロジェクトマネジメントスキル提供の機会を5回ほど設けました。
そして、このプロジェクトを3クール実施し、その過程でシックスエイトが行っていた役割を、クライアント事務局に移行していきました。現在では、企業内でプロジェクトを推進していらっしゃいます。
【過程】
上司対応
まずは、上司への理解を求めるために、参加者の選定が行われると同時に、参加者上司に対しての説明会を実施し、施策の目的や期待効果を説明しました。加えて対象者の時間確保やプロジェクト中の内省支援などを、その方法を紹介しつつ依頼しました。このことで初めて、参加者が安心してプロジェクトを実施する準備が整ったといえます。
立ち上げ
お互いを知り合うと同時に、興味事項について話し合い、Open Space Technology(OST)という、参加者が自律的にチームを形成する手法を用いて、6つのチームが立ち上がりました。各チームが設定したテーマは「就業環境多様性を増やすリモート/サテライトワークの推進」「ワークシェアリングによる相互サポート推進」「業務属人化防止のための言語化推進」「自己独自性理解のためのキャリア自律推進」「LGBTQ+の理解促進」「部門内相互理解の推進」でした。OSTはあくまで参加者自身が興味を持てるテーマを主軸にしてチームを形成するため、人数は3人~5人とばらつきがありました。初回のワークショップでは、このチームごとにプロジェクト目標の設定、ざっくりとした計画の立案までを行いました。目標設定に関しては、多くの会社で目標管理制度が導入されているものの、「与えられた目標」をタスクとしてこなす傾向が強く、参加者様たちもまた、期間と目的に応じた適切な目標設定を自ら行うには、新たな知識と体験が必要でした。
中間
6つのチームごとに、自分たちが集まりやすい場所や時間でミーティングを行ってもらい、その際の作成資料などは共有フォルダに保存してもらいました。ミーティングごとに、必ず指定の「ふり返り項目」で、プロジェクトの進捗だけではなく「進め方」「話し合いの質」などについて振り返ってもらい、そのことでファシリテーションスキルを高めました。
毎月1回は全チームで集まり、前半は、他のチームの進捗や悩み事、工夫などをチーム横断で共有することにより、更にプロジェクトマネジメントに関するスキルを高めていきました。後半の時間では、その時期の各チームの悩みに対応するプロジェクトマネジメントのコツや思考整理の枠組みを提供し、「すぐ使える」スキルの拡充を行いました。
この時期には各チーム内で、意見の相違があり、活動の道筋が迷子になり立ち往生するなど様々な事柄が起こります。シックスエイトはその状況を見極めながら、メンバーの自律性を損なわない程度のかかわりを行うことで、各チームが自ら軌道修正を行い、つまずきから学ぶことを支援しました。
クローズ
プロジェクト活動の締めくくりとして、「活動報告会」と「全体ふり返り」を行いました。参加者の他に、参加者上司や、過程においてこの際、多くのケースでは「発表」+「質疑応答」といったやりとりを行うことが多いですが、シックスエイトの設計は少し異なります。全体で進めることをせず、場を小分けにすることで、発表者と聴衆の距離を縮めやりとりを活発化しました。発表後には、聴衆には付箋紙を渡し、「印象的だった点」「応援の一言」を一言ずつ記載してもらうことで、質疑応答以外のフィードバックを確保しました。
この構造をとることで、すべての参加者が発表に携わり、かつ多くのフィードバックを得ることができました。
報告会のあとには3時間ほどの「全体ふり返り」の時間を取り、半年に及ぶプロジェクトをふり返りました。ふり返り項目は、達成したこと、積み残したこと、どのようなスキルを使ったか、自分自身の変化などです。中には涙しながらプロセスをふり返る参加者もいて、その影響の大きさを物語っていました。
効果
参加者のふり返りからは、とにかくプロジェクトを回していくための具体的な方法がよくわかったという声が多く聞かれました。日常の仕事では、あまり物事を構造化せず、我流と力技で進めてきている参加者も多く、目標設定・進捗確認・ふり返りと教訓、といったプロジェクトマネジメントの構造が効果的であることが体験を通じてよくわかったとのことです。加えて、「とにかく自信がついた」という声が多く聞こえました。女性管理職になるためにより必要なのは、インポスター症候群(自分に自信がない状態)を乗り越え、自分に対する信頼感が持てることが非常に重要です。しかし、「自信を持て」と言われてその通りになるものでもなく、このような体験を通じての自信構築が、女性管理職候補としての最重要要件を満たす効果的な方法であることを実証しました。
また、上司の方々からも、「仕事の仕方が変わった」「以前の報告は右往左往したが、コンパクトになった」「会議で積極的にイニシアティブを取るようになった」などの声も聞こえ、変化は参加者の独りよがりではないことの証左となりました。
ラボラトリー方式の
体験学習ワークショップ
シックスエイトのワークショップの核となっている考え方は、「ラボラトリー方式の体験学習」と呼ばれる手法です。
この手法は、参加者の普段の「普段のやり方」が出やすいワークやアクティビティを行い、その中での自分自身や人間関係の傾向などを、ワーク後にじっくりとふり返る、という構造を取っています。このふり返りの際に、必要に応じて新しい考え方や枠組みを提供する形をとります。シックスエイトの場合には、この際にTAの枠組みを活用することで、1つ1つの考え方が点でバラバラに提供されるのではなく、相互に関連性をもたせ、全体像の中での位置づけを明確にしつつ、理解・応用しやすい形で提供する点が特徴です。
この、ラボラトリー方式の「体験」と「ふり返り」のセットが緻密に設計されていればいるほど、参加者は、「普段の自分」の状態を客観的に捉えることができ、どのような変化が必要なのかに気づき、具体的な行動変容につながりやすい形となります。
ラボラトリー方式の
体験学習活用事例
メーカー系企業におけるマネジメントスタイルの変容
この企業様では「マネジャーの独断専行が強く、メンバーの話を聞かない。結果、メンバーがマネジャーに依存してしまい自律性が育たない」という課題がありました。この課題に対応すべく、マネジメントトレーニングの一環として、ラボラトリー方式の体験学習を活用しました。
ワークとしては、「コンセンサス実習」と呼ばれる、参加者同士での葛藤が起きやすいテーマを用いて、グループでの合意形成をする、というものを取り扱いました。参加者のマネジャーさんたちは、すでに行われた管理職研修で「メンバーの話を聴くことは重要」と頭では理解していますが、この実習中は、誰もお互いの話を聞かず、声が大きい人が自分の意見を押し通して力技で意思決定をする、という状況が起こりました。
ふり返りの時間の中で、参加者のマネジャーさんたちは、実習中の「声が大きい人」の行動は、職場におけるマネジャーさんたちの「日常」の姿であり、押し切られた他の参加者さんは、職場におけるメンバーの姿と同じだ、ということに気づきました。この気づきに対して、TAの考え方を使って、責任感が強ければ強いほど、自分で責任が取れるように自分の意見を押し通しやすくなる、という現象(Parentのエネルギー支配、と呼ばれる)を説明し、何が起こっているのか、どのように対応したらいいのか、について理解を深めました。
このように、頭で理解している「傾聴が重要」という事柄について、日常における自分自身がそれをできているのかを検証し、効果的に実践していくための情報を得る、というプロセスを実現しました。
重点対象との対話
1to1カンバセーション
組織の変化を促すには、最小の力で最大の効果を出すための「レバレッジポイント」となる属性や集団があります。それは「役員層」だったり「部長層」「課長層」「ベテラン」「若手」など、課題により様々です。
その対象となる層に対しては、集団に対するファシリテーションに加えて、個人個人の課題に合わせ徹底した変容のサポートを行うことが効果的です。
シックスエイトでは、Contemplative TAⓇ(コンテンプレイティブ)の枠組みを活用した、効果的な1対1の対話により、それらを実現していきます。
レバレッジポイントとなる層とは
組織開発の目的によって、最も重要なプレイヤーは異なります。
例えば、女性管理職の増加、ということを目的にしている場合には、既任・新任の女性管理職も重要ですが、これから管理職になる女性社員の方々は、より重要なプレイヤーです。
加えて、これから管理職になる人を評価したり、管理職登用を決定したりする側の上級管理職(部長・役員など)や、中間管理職(課長など)もまた重要なプレイヤーです。
このような、重要なプレイヤーの方々の考え方や行動の変化を求めるときには、1対1️のコミュニケーションを持って、急速に理解を深めたり、新しいものの見方の提供を行ったりしていくことが効果的です。
1対1の
コミュニケーションの効果
1対1のコミュニケーションをとると、個人の課題が見えてきます。
例えば、多くの女性社員は、自分でも気づかずに自分自身を過小評価しています。これはインポスター症候群と呼ばれる現象ですが、その自信のなさから自分の能力を発揮する機会を逃していていたり、逆に周囲に対して過度に「上から目線」の対応をしたりと、その現れ方は人によって異なります。それらは、ひとり1人の仕事経験や性格・価値観などにより異なります。そのため、適切な能力発揮や周囲との関係を構築をしていくためには、1対1で個人の課題を特定し、対策を講じていくことが、最も速く効果的です。
先に紹介した事例でもありますが、例えばすぐに管理職昇進が期待されている方々などは、スピード感も鑑みて、1対1のコミュニケーションで早期立ち上がりをサポートすることが効果的です。
1対1の対話による変容は
具体的にどのように成されるか
シックスエイトの1on1コミュニケーションでは、日々の仕事における課題を取り扱います。これらを「見えている課題(Present Issue)」と呼びます。ご本人が気になっていることを扱い、それをより良き状態にしていくための方策を共に考えます。この点は通常のコーチングやカウンセリングと似た営みになります。このことで、日常のつまづきや懸念に対する解決法を提供します。
シックスエイトの1on1として特徴的な点は、見えている課題の解決を繰り返すプロセスで、ご本人にとって、より重要な「鍵となる課題(Key Issue)」を探索していく点です。毎回取り扱う見えている課題は異なったとしても、その背景を観ていくと、同じ「鍵となる課題」にたどり着くことが起こってきます。この「鍵となる課題」を見つけ、Transactional Analysisの枠組みで関連付けや言語化を行い、向き合い、扱うことで、多くの変容が起こってきます。
このように、眼の前に見えている課題を解決することと、中長期的な真の課題を特定しそれを解決していくこと、この2つの効果が実現されます。
参考事例
あるIT系システム構築会社に勤める女性管理職候補の方は、プロジェクトの最終過程において、小さなミスが原因で納期が遅れたり、顧客対応がうまくいかなかったり、という複数の経験をしてきていました(見えている課題)。これに対しては、プロジェクトマネジメントのスキルを拡充し、しくみを見直して確認をしっかり行うことや、周囲に見守ってもらうことでの抜け漏れ防止などの対応策を検討していきました。
3回ほどのセッションを行ったところで、これまでのセッションで扱った課題が「いつも“あと一歩”のところで小さな失敗をしてしまう」ということであることに、ご本人自らが気づきました。(鍵となる課題)
この点をTransactional Analysisの枠組みで整理すると、彼女が自分自身に対して抱いているイメージやストーリー(「脚本」と呼ばれるもの)が「あともう少しのところでなにかを達成できない」というものであり、その背後には、自分自身を縛る「禁止令」と呼ばれる思い込みの一種があり、そのメッセージが「成功するな(Don’t Success)」ということがわかりました。
この点について、シックスエイトとの対話を通じて、自分に対するイメージを少しずつ書き換えて行く方法を検討し、「できる自分」のイメージを創り出すことにより、小さなミスを減らし、プロジェクトを円滑に運用できる状態までたどり着きました。
1on1コミュニケーション終了の半年後に彼女はマネジャーに昇進され、現在は社内ではまだ数少ない女性プロジェクトマネジャー兼ラインマネジャーとして、若い世代の女性社員のモデルとして活躍されています。
PERSONAL個人向け
日常の「気になること」を
通して、自分の使い方を知り、
自然で楽な状態を実現する
仕事や人間関係がうまくいかないとき、そして、その不具合に、何か同じパターンが感じられるときは特に私たちは「自分自身がうまく使えていない」ことがほとんどです。
こういった不具合は、誰にでも起こり得ることであり、人生のいろいろなタイミングで私たちに訪れてきます。
しかし、それが一定以上の年齢で起こってきたり、集中的に起こってきたりすると、自分ひとりで不具合から回復するのは容易なことではありません。加えて、そういった状態のときには、家族や友人などの助けがかえって負担になったり、悪影響を及ぼしてしまったりすることもあります。
そんな時こそ、他者、特に専門家のサポートが必要なときです。
日本では、セラピストやカウンセラーなど専門家のサポートを得ることは「病気の人」が行うことという固定観念があるようです。
対して、欧米をはじめ海外では、自分自身を心理的に支え成長させてくれる専門家を、美容師や整体師と同じ感覚で雇うことが普通です。
これまで日本ではそういった心理専門家の役割を、会社など組織における上司や人事·教育部門などが担ってくれていましたが、個人主義や転職の増加とともに機能しなくなってきました。今後はそういった支援は、個人が自律的に求めていく時代となってきています。
シックスエイトのサポートでは、あなた自身がどのような人間なのか、何を持っていて、どうやったら自然で楽な状態になるのか、それを、対話とワークを通じて明らかにしていきます。
学校や職場では教えてもらえない、自分自身との付き合い方を見つけ、楽に自然な状態の自分を創り出します。
シックスエイトの個人向けサポートは、1on1とグループワークショップの2つがあります。
いずれも、Transactional Analysis(TA)の枠組みを使った対話とワークを通して、自分自身の現状を観て対応策を考えることを積み重ねていきます。
そして、最終的には、蓄積したTAの学びを、自分自身と効果的に付き合っていくために自分で活用できるようになることを目指します。
そしてその際のプロセスは、何かを「努力して」「がんばって」「歯を食いしばって」手に入れていくものではありません。
Contemplative TAの考え方を応用し、すでにあなたの中や周りにあふれている資源(リソース)を見つけ出し認めることからスタートします。
そして、それら資源とのつながりを良好に保ち「楽に、自然にいられるあなた自身を創り出していく」そのような「シンプルなしくみ」を一緒に構築することを行っていきます。
私たちは、何か新しいものを獲得することに目が向きがちですが、実際には「すでにあるもの」を活用していくアプローチのほうが、ずっと楽で定着しやすいからです。
1to1カンバセーション
1対1の環境で、あなた個人の課題に集中して取り組んでいくサービスです。
多くは60〜90分のセッションで、そのときに気になっている人間関係や仕事などの実際の課題を取り扱い、対応策を共に考えていきます。
その際には、単に問題を解決するという視点だけではなく、なぜそのことが気になるのか?その出来事の背景にはどのようなことが起こっているのか?などを、Contemplative TAの考え方をもとに、静かにふり返りながら探索していきます。
多くの場合、気になっている出来事は、あなた自身の無意識領域が、あなたに何かを知らせようとしていることの現れです。それらの出来事や気になることを使いながら、あなたの本来の力を発揮、邪魔している要素を取り除いていきます。
そのことで、あなたが持っている本来の力を、少しずつ取り戻し、安定感のある自分の状態を創り出していきます。
グループ
ワークショップ
Transactional Analysisの創始者E.バーンが選んだカウンセリングやセラピーの基本形態は、1on1ではなく、グループで行うものでした。
シックスエイトでは、上記の伝統的なTAのグループカウンセリングの形に、禅や修験道の考え方やマインドフルネス、体験学習などを活用したワークショップを提供しています。
基本的に取り扱うのは、参加者個人の課題ではありますが、その探索のために様々なワークや対話の時間を体験していただきます。
特に初回に対面で行うワークの多くは、他のメンバーがいるからこそ体験できる「関係性の中にいる自分」を取り扱います。
多くの人は、自分ひとりでいる時には何の問題も生じないのに、グループや誰かとの関係において何か不具合が生じることが多いため、その状況を再現するためには、グループの力を借りることが効果的だからです。
そして、それらワークや対話を初回対面の機会で集中的に体験することで、自分の課題をより明確にします。その後、1〜3ヶ月ほどの期間に、3〜4回ほどのオンラインのショートワークショップを通じて、継続的に取り扱っていきます。
1on1の場合には、あくまで自分と相手、2つのものの見方のみが探索の材料になりますが、グループの場合には、自分以外に複数人の人たちの見解を参考にすることができます。
加えて、グループでは他のメンバーの話を聞いている最中に、自分自身の新たな課題が見つかったり、新しいひらめきやアイディアなどが立ち現れてきたりします。
グループワークショップでは、そのような「グループの中だからこそ起きてくること」を丁寧にふり返り、取り扱うことで、1on1では扱えないような豊かな経験を提供していきます。
また、数ヶ月という期間に、定期的に接点を持っていく仲間がいることで、支え合っている感覚や、集中的に自分自身を探索するエネルギーをもらえるという利点もあります。
シックスエイトのTAトレーニング
シックスエイトの
TAトレーニング
あなた自身の土台と
プロフェッショナルとしての
柱を作る
Transactional Analysis(TA)は、個人として、あるいは組織の管理職として、または組織開発・人材開発の専門家として、あなたが楽に、かつ効果的に過ごすための、自分の考えと行動の軸となります。
仕事において、「あなたのその考えは一体何に基づいているのですか?」と訊かれたときに「Transactional Analysisです」と答えられることは、あなたの考えに確信を持たせ、自分、他者からの信頼にもつながります。
シックスエイトでは、上記のように自分の土台や柱になりうるTAを、体系的に学び、活かせるようになるためのトレーニングコースを複数用意しています。
TAトレーニング2つの柱
TAは、個人のエネルギーの使い方から組織開発まで、活用可能な範囲が非常に広い心理学です。その分、学びにも工夫が必要になります。
シックスエイトのTAトレーニングデザインの大きな柱は2つで、【必要な時に必要なだけ】そして【楽しんで使う】です。
この2つの柱が、広い理論体系をじっくり楽しく、そして継続して学ぶ鍵となります。
必要な時に必要なだけ
オンデマンド
TAを学ぶ際に最もダメな姿勢は「一度に全部完璧に学ぶ」です。
70年以上かけて発達してきたTAの膨大な理論や枠組みを学ぶには、「必要な時に必要なだけ」を積み重ねていくことが適切です。
そのため、シックスエイトのTAトレーニングは、数多くのTAのセオリーや考え方の中から、お一人お一人が、その時のご自分に必要なだけの学びを手にすることができるようにデザインされています。
自分を整えることをしっかりやりたい人は、そのためのTAの学びを提供します。
プロフェッショナルとしてTAをカウンセリングや組織開発に活用したい人には、その先の学びを提供していきます。
そして、TAのプロフェッショナルとして国際認定を目指したい人には、そのためのサポートを用意していきます。
最終的には国際認定を取った多くの人々も、最初の一歩は自分自身の人間関係にTAを使いたい、というはじまり方でした。どのタイミングで、どの程度学びたいかはその人次第です。
楽しんで使う
サステナビリティ
トレーニングというと、多くの人にとって「辛いもの」「我慢するもの」「耐えるもの」といったイメージがあるようです。しかし、当たり前ですが、辛く苦しいものは長く続きません。
シックスエイトでは、TAという広範囲の学びを続けられる持続可能性の高いものにするために、
・日常で
・面白がり、楽しみながら
・その効果や利益を手にしつつ
学ぶための建て付けを、以下2つの要素を組み合わせて提供しています。
トレーニング
ワークショップ:
みんなで学ぶ
グループで学ぶことにより、自分ひとりでは手にすることができない「関係性」に関する学びや、参加者が持ち寄る多種多様な課題やケースに出会うことができます。
また、グループでさまざまな体験や対話をワークやアクティビティなどで積み重ねていくことにより、ともに学ぶ仲間がでてきます。
一人で孤独に学ぶことでは得られない楽しさや支え合いの感覚が、継続的な学びのモチベーションとなります。
スーパービジョン:
1対1で深める
スーパーバイザー(トレーナー)との1対1でのコミュニケーションが、グループトレーニングの学びをさらに深め、広げます。
グループでは言い出せなかった質問や意見を取り扱い、疑問点を払拭したり、自分固有の課題やケースについてTAを活用してみたり、「かゆいところに手が届く」ようにするための時間が用意されています。
また、スーパービジョンには、管理職やプロフェッショナルとして、TAを使って組織の中でどのように成長していくか、など、キャリアデザイン的に使う時間にもできます。